アラブ連盟
جامعة الدول العربية
アラブ連盟(The Arab League、旧アラブ諸国連盟)は、北アフリカおよび周辺地域、アフリカの角(つの)(アフリカ東部地域)、および東南アジア地域のアラブ諸国による地域協力機構です。
アラブ連盟は、1945年3月22日、カイロにおいてエジプト、イラク、ヨルダン(旧トランスヨルダン、1949年にヨルダンに改名)、レバノン、サウジラビア、シリアの6か国によって設立されました。 同年5月5日にはイエメンも加盟しています。
現在の加盟国は22ヵ国。ただしシリアは、反乱や内戦を政府が厳しく弾圧したため、2011年11月から加盟資格を一時停止されています。連盟の主たる目的は、加盟国間の関係強化と連携協力の調整、各国の独立と主権の擁護および各加盟国の状況や国益に対して加盟国が連携して検討を行うことです。
連盟の精神を一言で表せば、「アラブの22ヵ国 一つの言語 一つの文明」ということです。連盟は、国際連合から国際機関としてオブザーバーの地位を認められ、世界的な規模の組織としての権威を得ています。連盟は文化と文明の間の対話と融合・協調を積極的に進める支持者であり、それは文化や文明の違いを超えて国家間や人と人との理解と協力関係を改善することを目的にしています。
<組織>
連盟の最高機関は理事会で、加盟各国の代表により構成されています。各国は国の大きさに関わらず一票の投票権を持ち、理事会決議は投票した国のみにその拘束力を発します。 常任理事会が同連盟の管理・事務の中枢を担い、連盟の運営を担っています。運営はアラブ連盟理事会により任命された事務総長が行い、事務総長の選任は5年に一度行われます。 連盟および加盟国の公式言語はアラビア語です。
アラブ連盟教育・文化および科学機関(ALECSO)、経済および社会理事会のような関連機関を通して、連盟はアラブ世界における政治や経済、文化、社会の発展を促進するプログラムに取り組み、加盟国が共通の関心事の意見交換を行えるような場を提供する役割を果たしています。
<アラブ連盟の目指すゴール>
連盟の主たるゴールは、加盟国間の連携を強化し、相互協力を取り持つことにあります。そして各国の独立と主権を維持しながら、アラブ諸国において共通するさまざまな懸案事項や利益を同じ視点から考察します。
連盟は、アラブ連盟教育・文化および科学機関 (ALECSO)、アラブ連盟理事会、経済・社会理事会など、連携する機関を通じ、アラブ世界において、加盟国の利益を促進するような政治、経済、文化、科学、社会の分野でさまざまなプログラムを実施しています。加盟国の政治的な立場を調整し、域内の共通の関心事について審議し、さらにはアラブ世界の紛争の解決や1958年のレバノン危機のような紛争を抑制するための意見交換の場としての役割をはたしています。
連盟は、域内での経済的統一に関する様々な画期的な草案を取りまとめるなど、プラットフォーム的機能を発揮しています。
過去の成果としては、域内での経済活動の原則となる共同アラブ経済行動要綱を取りまとめました。
設立当初の1945年時点での連盟の目的は、政治・文化・経済および社会プログロムを強化・調整し、域内あるいは域外の第三者との対立を調停することでした。 その後、1950年4月13日には、域内における共同軍事防衛および経済協力についての同意への署名を行い、軍事防衛手段を調整するための調印者となりました。さらに1970年初頭、アラブ連盟国経済理事会は、欧州において、合同アラブ商工会設立についての提案を行いました。 これは後にアラブ連盟法令第 K1175/D52/G号に基づき、アラブ諸国の主要貿易相手国である英国との二国間貿易の奨励と振興を任務とするアラブ・英国商工会の設立につながっていきました。
連盟はまた、学校のカリキュラム作成、アラブ社会における女性の役割の向上、児童福祉の促進、青少年・スポーツプログラムの振興、アラブ文化遺産保護、加盟国間での文化交流の発展など、多くの実績を挙げてきました。また識字活動キャンペーンや知的労働の再開発、加盟国で活用できるよう最新技術の専門用語の翻訳なども行ってきました。
犯罪や薬物乱用、労働問題、とりわけアラブ諸国内での移民労働力について、 改善策を講じる活動も積極的に行っています。