ハラール
ハラールは“許されるもの”
ハラールは、アラビア語の言葉で、イスラム社会において“許されるもの”を意味します。
イスラム社会にはシャリアと呼ばれるイスラムの法律があります。
シャリアには様々な決まりごとがあり、このシャリアの中に規定されている“許されるもの”がハラールです。
逆に、イスラムの法律(シャリア)で許されていない、禁じられた物・事、行動などはハラームと呼ばれ区別されます。
許されるもの(ハラール)とは?
ハラールという言葉は皆さんも何度もお聞きになったことがあるでしょう。
イスラム法(シャリア)では、許されないもの(ハラーム)として分類される物・事・行動以外を許されるもの(ハラール)とみなします。
ハラールは、食べ物・飲み物だけではなく、薬、化粧品や香水、行動や物事などにも及びます。
例えば、することを許されている行動、使っても差し支えのない物など、食べるもの以外のことも指します。
許されないもの(ハラーム)とは?
では反対にどんなものが許されないもの(ハラーム)なのでしょうか。
豚肉・豚由来の製品や、アルコールがハラームであることは広く知られていますが、これら以外にもハラームに分類されるものがあります。
ハラール同様に、ハラームは行動、物事にも及びます。例えば、贋物を売ることはハラームとされています。
尚、明確にハラール、ハラームがはっきりしないものはマシュブーと呼ばれ、なるべく避けることが望ましいとされます。
許されないもの(ハラーム)の具体例
* 豚、豚由来の製品。
* イスラム法に則らず屠殺された動物。
* 屠殺する前にすでに死んでいる動物。
* アルコール、アルコールを含む食品、飲料、及び酔わせるもの。
* 肉食動物。猛禽類やその他のハラームと分類された動物(犬、猫、猿、虎、ライオン、熊、鰐、鼠、蛇)
* ハラームなものによって汚染されたもの。
*ハラームでない肉や、成分が使われた食品、飲料、薬、サプリメント、その他すべての製品。
許されるかどうかはっきりしないもの (マシュブー)
* 成分にゼラチン、酵素、乳化剤、香料などが含まれている食品は成分由来が不明確なため、疑わしいものと見なされます。
※植物性由来による成分である場合はハラールと見なされます。
ハラール認証は安心のトレードマーク
皆さんが海外に行かれる時、飛行機の機内食でハラールのマークを目にされる事も多いでしょう。
海外では何気ない光景ですが、非イスラムの国においてムスリムの方々は食事に大変苦労します。
ハラール認証マークが付いていない食品・飲料が多く、食べてよいものかどうか、判断する情報も少ないため安心して食事をすることが難しいのが現状であるためです。
また、多くのものは明確にハラール、ハラームと分かれていますが、はっきりしないものもあります。
それらの区別・判断材料として、イスラムの方々は原材料についての詳細な情報を必要とします。
ハラール認証は、ハラールである材料から作られた食品であることを証明された製品に表示される、いわば安心のトレードマークです。
ハラール認証がついていることで、ムスリムの方々は製品の原材料がすべてハラールであると知ることができ、安心して食することができるようになるのです。
一般の方はもとより、ムスリムとの事業に携わっている方々には、ハラールやハラームといったイスラム法や基本的なイスラムの考え方を知り、理解を深めることが今後ますます重要になってくるといえるでしょう。
IIHOでは GCC(Gulf Cooperation Council 湾岸協力会議)による「GCC Standardization Organization (GSO)」のハラール基準GSO/2055/2015 Halal Food General Requirementsに基づき、食材・食品を監査し、ムスリムにとって「許される」食品かどうかの認証をおこなっています。
日本に来るムスリムの方や、日本に住んでいるムスリムの方が安心して食事が出来るように、そして日本のハラール食品を海外より多くのムスリムの方々の元へと届けられるように、ハラール認証を通じて、ムスリムと日本人の「食」をつなぐサポートをいたします。