ハラールはムスリムのライフスタイルです。生きるのに食べ物や飲み物が必要なように、ハラール食品・飲料は世界中のさまざまな場所に住むムスリムの生活に欠くことのできないものです。食品や食品の原材料、添加物、医薬品や化粧品の国境を越えた取引は日々拡大しており、自由貿易協定が拡大するに従い参画国数も増加しつつあります。
イスラム諸国と非イスラム諸国間での食品、飲料、化粧品、医薬品および医薬品原料などの取引の拡大を受け、国際取引において衛生、検疫や安全の問題が重要であるのと同様に、国際間取引におけるハラール認証の必要度が高まってきました。
また、ビジネスや高等教育、医療、観光を目的として非ムスリム国を訪れるムスリムは著しい増加をみせています。
このようなニーズの高まりを背景に、ハラール認証されたホテルやレストラン、ハラールクルーズ、ハラールショップなどの商業施設が増えつつあります。
21世紀には過去にはみられなかったソーシャルメディアの台頭で、世界はいわば国際村へと変貌を遂げました。このようなボーダーレス化の中でハラール製品やハラール認証への意識がムスリムの中でも高まりつつあります。
過去5-10年を振り返ると、ムスリム国家でありながらも実際にはきちんとしたハラール基準を整備していないイスラム諸国が多数みられたのが実情でした。
しかし食品や原料の国際間取引が増加するにつれ、すべてのムスリム国家がハラール基準の情報を収集したり収集されたりするようになりました。
多くのムスリム国家はほかのイスラム諸国の基準や、GCCハラールスタンダード、OIC-SMIICハラールスタンダードなどのイスラム機関の基準に追従してきています。
ムスリムが世界のどこにいてもハラール食品や飲料はムスリムにとっては避けて通ることのできない日常に不可欠なものなのです。
非ムスリムの国で生活をしたり、非ムスリムの国への旅行に対して、ムスリムは慎重にならざるを得ません。食べ物や飲み物、礼拝場所など利用可能状況など考えなくてはいけない点がたくさんあるからです。
実際に多くのムスリム旅行者や、あなた自身のムスリムの友人またはビジネスパートーナーが、ハラールレストランやハラールサービスを提供するホテルの情報を探している様子を目にすることがあるかもしれません。
ハラール認証マークのない製品について、ムスリムがそのハラールステイタス（ハラールであるかどうか）を確かめるのは非常に難しいことなのです。
仮にハラール認証のマークやロゴがついていても、どのハラール認証団体が認証したものか、名称の明記がないものはその認証の正当性が疑われます。従って名のある、認知された認証機関が認証を行っているかどうかは極めて重要になります。
